25歳以下の経験の浅い者たちでゼロから演劇を作ろうとするという試みの第四弾です。何者でもないことは幸せだというようなことはよく言われます。なぜなら可能性に満ちているから。どんな未来にも足を踏み出せるから、と。しかし、本当にそうでしょうか？それはまあ慰めにはなるかもしれませんが、物事を進める推進力にはならないと思います。むしろ僕は、ガラクタになる可能性に不安を感じながらも形にする勇気や、最初に考えていた大きなイメージとは似ても似つかないちっぽけな世界にしかならないという悔しさこそが、もう一歩、もう一歩と表現を先に進めるのだと思うのです。今回は日本の小説をヒントに、集まったメンバーが演劇を起ち上げます。彼らは「集まれば強い」と宣言しました。それは確かに演劇の魔法だと思います。それが全てかも？と思うくらい。ぜひともその魔法が証明されることをのぞみます！

​

松井周